木村匡也(きょうやブログ)ThePowerOfVoices

きむらきょうや(木村匡也)のブログ・ナレーター 声で生きる

君が生きていたかった一日を俺は生きている イノマーに捧ぐ

君が生きていたかった一日を俺は生きている イノマーに捧ぐ

 

家ついて行ってイイですか?という番組で、伝説のパンクロッカー、イノマーの壮絶な死が放送された。

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伝説のパンクロッカー、イノマーとワシ

 

 

今やっと、笑顔でイノマーの最後の瞬間を見られるようになったが、最初にテレビで放送を見たときは、もう気が変になりそうなくらい泣いた。

 

 

同級生でライバル?

イノマーとワシは、超有名な深夜番組ニッポン放送「オールナイトニッポン」で一緒だった。ワシも全国放送のオールナイト金曜日一部で、毎週毎週ギンギンにテンション上げて有楽町に乗り込んでいた。

 

 

 

出演者はみんなそうだったと思う。なんと言っても天下のオールナイトニッポンだ。ここから這い上がっていくぜ、ぜったいメジャーになるぜ!という若さと闘争心で、バチンバチン毎週ガチでぶつかり合っていた。

 

 

ウルトラテンションバカ

イノマーは当時オリコンの編集長だった。でも、当時からめちゃくちゃパンクだった。オンエアーの第一声は(イノマーファンなら知ってるだろうが)男性器の名前の大絶叫からだった。いつもだ…

 

 

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お前、それを言うな!うるせー!の応酬だった

 

 

そして、ワシに突っ込まれたくないから全力のフルテンションで喋り続けていた。

 

「おいキョーヤ!」

「お前とはトークで勝負しない!」

「テンションで勝負だ。かかってこい!」

 

という感じで、毎週、毎週、全力のマシンガントークでわめきちらしていた。

 

 

 

敵でもあり友でもある3人

俺たちは同い年だということで、ある部分、気があった(と思う)。しかし猛烈に張り合ってもいた。ディレクターのせっちゃん(節丸くん)も同い年だったので、3人ともギンギンに突っ張りあっていた。

 

3人とも、もちろん俺が一番かっこいい!と思って張り合っていた。

 

 

最初は「なんだコノやろー」と3人とも思っていた(多分)が、ワシは、だんだんアイツの持ってくる音楽に惹かれ始めた。

 

ゴイステ、

ロリータ18号、

ハスキング・ビー、

 

みんなイノマーが教えてくれた

 

 

いや、正直にいうと、最初は「お前の持ってくる音楽なんかよくわかんねーなー!」とか言ってケンカしてたんだ。男の子なんてそんなもんだ。だいたいカマし合いの連続だ。

 

 

 

 

 

イノマーに負けた瞬間

ところが、やっぱり刺さる曲があって、自分でも気づかないうちに、うっかりその曲のメロディーを打ち合わせのときに歌ってしまっていたのだ。

 

 

 

ハスキング・ビーの「WALK」だった。

WALKを鼻歌で歌っているのをアイツに聞かれてしまったのだ。

 

 

www.youtube.com

 

 

なんということだろう。事もあろうに、バリバリに張り合ってる張本人イノマーに聞かれてしまったのだ!!!ワシとしたことが、、、

 

 

 

 

そんときアイツの勝ち誇った顔!ったら

 

そんときアイツの勝ち誇った顔!ったら

 

そんときアイツの勝ち誇った顔!ったら

 

 

ったくチキショー(笑)

あの時のイノマーの顔が忘れられないぜ(笑)

 

ほら!イイ曲だろーが、本当は好きなんだろ!?このやろう。とかなんとか言ったっけな?

 

 

確かにワシの負けだった。イノマーは本当にいい曲を紹介してくれていた。のちに奴が紹介してくれたバンドは今でもみんな大好きだ。

 

確かまだイノマーにもらったアルバムが何枚かある。それを聞くとヤツのことを思い出す。思い出しすぎて、涙で窒息死しそうになる。

 

 

それぞれの道を歩き出した

 

 

 

会社をやめたことは知っていた。

 

 

バンドを本格的にやってるのも知っていた。

 

 

ガンで亡くなったというのは…ネットニュースでみた。

 

 

 

 

ただ、あんなに壮絶な最期だったとは、知らなかった。本当に知らなかった。

 

 

 

会いに行けばよかった。せめてライブにでも行けばよかった。節丸もワシも、バカみたいに泣いたよ。

 

 

 

だって男同士だから、長いこと会ってなくても、会って飲めば一瞬で戻れるだろう?そう思ってた。

 

 

 

 

 

 

ずっと会ってなかったけど、ワシもせっちゃんも、君に恥じない仕事をしてきたつもりだ。

 

 

番組(オールナイト)は長続きはしなかったが、まあ、いつでも会えば、あの時の「俺とお前」にすぐなって、またギャーギャー言い合いながら酒が飲めると思っていた。

 

 

 

でも

 

 

 

 

 

全力でガンと闘っていた壮絶な姿を残して、、、、君は逝った。

 

 

 

 

 

 

 

 

最後に息を引き取ったのが夜の2時50分だったことが、笑いとなってた。エガちゃんも病院に来てたな。

 

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イノマーよ!

 

 

しかし、もっとびっくりしたことがあった。その後のイノマーの一周忌の様子が放送された。そこにお墓の墓誌が写っていたのだ。よーく見ると

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あら!?同い年って言ってたじゃん

あら!?お前、年ごまかしてやがったのか!?コノやろー(笑)

 

 

コノやろー!

コノやろー!

コノやろー!

 

 

 

せっちゃん(節丸)と、そのことで大爆笑した。涙ながしながら、「馬鹿やろー、イノマー!」って言ってワシらは笑いながら泣いたぞ

 

 

 

テレビに映るイノマーの独特な文字

僕らはあの頃イノマーの書いた自筆の原稿をよく見ていたので、あの文字を見るだけで胸がウッとくる。なんか喉に突き刺さったようになる。

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生きたかったよな〜

 

イノマーよ!今、ワシはどういう訳だか、ちびまる子ちゃんのナレーターをやってるよ。君が、どういうリアクションするか知らねーが、とにもかくにも、ワシは、お前が生きたかった今日を生きている。節丸も同じ思いだ。

 

だからイノマー

 

君に恥ずかしくないように生きるよ。

 

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裸!自粛だー



 

 

ワシはやっと泣かないで君の画像を見れるようになったよ

 

 

 

天国で飲もうな。